平成27年9月に公認心理師法が成立し、平成29年に日本初の心理職国家資格「公認心理師資格」が誕生しました。国家資格化に関して様々な意見がありますが、心理職が公的に認められたことは喜ばしいことです。
一方で、まだ導入期ということもあり、公認心理師資格にはまだ様々な課題、問題があります。
その一つが「スキマ世代」、制度の隙間に落ちてしまい、公認心理師受験資格を得られなかった世代が生じたことです。
これまで心理職のスタンダードであった「臨床心理士資格」ホルダーが「公認心理師資格」を受験できるように5年間の移行措置期間が設けられ、多くの臨床心理士、また臨床心理士を目指して指定大学院に通っていた学生は公認心理師受験資格を得ました。しかし、その中でも得られなかった人たちがいます。
「施行前に大学院在学または修了しており、その大学院で履修した科目が公認心理師履修科目に読み替えられるDルートで行けるはずが、読み替えができなかった。公認心理師履修科目を取っていなかった…」
「施行前に学部在籍中または卒業しており、その学部で履修した科目が公認心理師履修科目に読み替えられ、さらに公認心理師カリキュラムに対応している大学院に進学するEルートのはずが、大学院進学の年にまだ大学院が公認心理師カリキュラムに対応していなかった。または学部で公認心理師履修科目に読み替えられなかった。科目を取っていなかった…」
…など、理由は様々でありますが、同じ学費を払い同じような勉強をしてきたのに、制度の隙間に落ちてしまい、公認心理師受験資格をとれなかった世代がいるのです。
さらに、臨床心理士受験資格はあっても、その臨床心理士資格も今後どうなっていくのか定かではない状態。
そして多くのスキマ世代は、駆け出し、もしくは今年大学院を卒業する若手ばかりです。
「臨床心理士資格だけでやっていけるのだろうか…」
「臨床心理士資格シングルホルダーで雇ってくれる場所があるのだろうか…」
「本当に受験資格はないままなのだろうか…」
「不安だし、気になるけどちゃんと教えてくれる人が周りにいない…」
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